【書評】『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』を読んだ感想・レビュー。
こんにちは、りりです!
今回はブログでの初めての試み、読書感想文(書評)を記事にしようと思います!わーい。
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』(小林昌平著、文響社)という本をご紹介します。
私は最近哲学に興味があるので、一通り哲学の歴史を勉強してからこの本を手に取ってみました。
哲学ゼロ知識でもかなり読みやすい哲学関連本の一つではないかなと思います!
私はこの本を読んで、結構すっきりしたのでオススメの本となりました。
以下内容のざっくりとした内容紹介です。(Amazonより引用)
「将来が不安」「お金がほしい」「死ぬのが怖い」
これらの現代人の悩みははるか昔から私たちを苦しめていた人類共通の悩みです。であるならば、哲学者たちはこれらの悩みに答えを出しているはずです。
平易な言葉で哲学を学べて、あなたの悩みが解決する1冊です。
「将来、食べていけるか不安」⇒アリストテレスが答えを出しています。
「忙しい。時間がない」⇒アンリ・ベルクソンが答えを出しています。
「お金持ちになりたい」⇒マックス・ウェーバーが答えを出しています。
今回私が印象に残ったものは以下の通りです!
・「将来、食べていけるか不安」アリストテレス
”このままの仕事を続けていていいのか?会社にしがみついていたらあっという間にこの歳になってしまった。”
というような悩みに対して、アリストテレスはこのように答えを出していました。
「将来の目的や計画をいったん忘れ、今この瞬間やりたいこと、やるべきことに熱中せよ。」
将来は何が起こるのか誰にもわからないので、今この瞬間に集中しましょうということですね。
”今この瞬間に集中”というのは”瞑想”に近いものがあるのではないかと思います。
将来のために今を犠牲にして行う行動があると思いますがこれをアリストテレスは「キーネーシス的な行為」呼びます。
目的が今の自分の外側にあるような行為のことですね。
アリストテレスは、この将来のために今の犠牲にして行う行動(キーネーシス的な行為)こそが、将来への不安をもたらすと考えています。
目的を度外視して、今自分のやりたいこと・やるべきことに集中(没頭)することが、良い結果をあくまでも結果的に導いてしまう。
自分が向いていると心から感じられる作業に全力で打ち込んでいたら、世界が放っておくことはないでしょう。
これがアリストテレスの答えです。
この考え方は、現代のホリエモンこと堀江貴文さんと似ていると思いました。
「好きなことに没頭せよ」最近では”稼ぐ”ということを度外視で没頭せよと発言していますが、没頭の先に結果がついてくるということはアリストテレスの時代にも答えが出ていたようですね。
・「お金持ちになりたい」マックス・ウェーバー
多くの人にとって持っていて損することがない”お金”。
ではその富は、どのようにすれば我々のところに集まるのか?
マックスウェーバーは
「お金という富への執着を捨て、ストイックに働いた人が結果としてお金持ちになった」
あれ!なるほど。
先ほどアリストテレスも同じようなことを言っていましたね。。!
私は 働く=没頭できること と置き換えて解釈するのが21世紀にぴったり合うと思いましたがいかがでしょうか。
また、私たち人間を突き動かすエンジンは、”お金”そのものではないとマックスウェーバーは言っています。
あれ!これも、堀江貴文さんがいっつも同じようなこと言っているような…!!
どえらい昔に、哲学者が出した結論なのですね。
・「自分の顔が醜い」ジャン=ポール・サルトル
外見的コンプレックス。我々人間は一つくらいあるんではないでしょうか。
私は外見的コンプレックスがありました。(どこが嫌というのはなく、全体的に嫌な時期がありました。)
その外見的コンプレックスの答えはサルトルの哲学にありました。
「人間には”本質”というものがなく、その人の人生の意味や目的といったものが、あるようで存在しない。」
例えばとかげには、外敵から逃げて子孫を残すという”本質”があるのですが、人間にはその”本質”が全く存在しないとサルトルの哲学で言われています。
人間は途方もなく自由で、自分が何をすべきか誰も決めてくれない。しなければいけないことも、あるようで実は、何もない。
「人間は自由の刑に処せられている」ということだそうです。
この考え方には驚きました。
私はちょうど、「〇〇しなければいけない」という呪縛があったのですが、よくよく考えてみれば”私がやらなければならないこと”は一つもないですね。
そんな”本質”もなければ”やらなければならないこと”もない人間ですので、
持って生まれたものなんてどうでもいい。これからなろうとするもの、だけれどもまだなっていない、なれていないものになりうるということだけが重要なのだ。
ということです。
動物の中で唯一、人間だけが、所与の自分から自由であることができる生きものなのです。
であるならば、こうだという自分への思い込みを解きはなち、社会にどんどんコミットせよ
というのがサルトルの主張です。
自分に何かしらコンプレックスがある私たちの背中を一押ししてくれるサルトルさんの哲学でした。
『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』(小林昌平著、文響社)では、詳しくサルトルさんが自分の哲学を活かした事例も書かれているので是非読んで見てください。
・「他人から認められたい。チヤホヤされたい。」ジャック・ラカン
人間の「欲求5段階」には、ぜいたくな欲求として「承認欲求」が位置づけられています。
生理的欲求・安全の欲求が当たり前に満たされる現代、問題となるのは「承認欲求」です。
SNSはその欲求を最大限に刺激するように設計されており、インスタントなレスポンスによって「認められたい」欲求が刹那的にみたされ、欠乏に悩むという悪循環に陥っている方も多いのではないでしょうか。
ラカンは、フロイトが発見した「無意識」の研究を深め、
現実に存在する個人(他者)を『小文字の他者』。
象徴的な、大きな他者(神)を『大文字の他者』。
と定義づけました。
「大文字の他者」に認められないことには、人は真に承認欲求を満たすことができない。
とラカンは言います。
「大文字の他者」は大きな他者(神様)。
か…神様?
どういうことかと思いますが、例えば「100年後に見知らぬ人が自分の作品を見て感動してくれる」ということが大文字の他者から認められるということだそうです。
長期的な価値を生み出すことこそが大切だよということなのですね。
誰が褒めてくれるか分からないようなことにやれることから没頭する。
先ほどのアリストテレスやマックスウェーバーにまたもや近い結論となっているような気がします。
SNSに関する私の考え方(おまけ)
私は先程話に上がった、SNSに関してはこの「大文字の他者」からの承認を受ける可能性を高めたと思います。
例えば芸術家は、評価されるまで死後30年かかるという説があります。
しかし現代は、YouTubeやTwitter/Instagram・ブログなど様々なプラットフォームの発展のおかげで誰に褒められるか分からないようなことを好きに発信することができるようになり、身近な友人・家族や街の人(小文字の他者)からもしも認められなかったとしないようなことであっても、海外や見知らぬ人からのアクセスや時間を超えてアクセスしている人(大文字の他者)からの評価を得やすくなっていると私は考えます。(例:YouTubeの場合、動画をプラットフォーム上にほぼ永久的に残しておける。)
ゴッホは芸術家として活動した期間10年間、あまり評価を得ることもできずおそらく困窮状態にあったと思いますが、もし現代のように収益性のあるSNSがあれば生前評価または死後評価を何十年も短縮できた可能性があります。
トップYouTuberのヒカキンさんも、何も1つ目の投稿から爆発的にトップであったわけではなく、数年の活動がそこにはあります。
「大文字の他者」からの評価が受けられるプラットフォームがもしも無い時代であったら、ヒカキンさんも死後評価だった可能性は十分にあり得ると思います。
こんな恵まれた時代に生まれた我々なので、誰が褒めてくれるか分からない好きなことを発信していけば良いと思います。
意外にも承認欲求解決のポイントは”誰が褒めてくれるか分からない”というところにあるように思いました。
まとめ
”今に集中すること”
"今やれることに没頭すること"
これが『その悩み、哲学者がすでに答えを出しています』(小林昌平著、文響社)を読んでありとあらゆる哲学者たちから伝わってきました。
私も哲学の知識を人生において実践してみて、自分の哲学を作っていけたらなと思っています!
゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+.――゜+
Amazonの本読み放題サービス「Kindle Unlimited」で読みました。
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